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掲載日:2020.01.29

当日は、会場となったD31教室に本学の教職員、他学部の教員、現役学部生・大学院生、佐藤ゼミ・澤野ゼミOBの方々29名の聴講者が、遠くは東京、岡山、函館などからもお集まりのなか、佐藤芳彰先生、澤野雅彦先生の最終講義が開かれました。

最初に伊藤友章学部長より、両先生のご経歴、著書をはじめとする研究業績についてのご紹介がありました。

佐藤芳彰先生より「40年間の教員生活を振り返って」という表題で講義をいただきました。学部、大学院から今日に至るまでのご自身の研究の変遷と、新しい研究に進まれる際のきっかけ、当時の時代背景、またその時々にあったご苦労についてお話しいただきました。なかでも同僚の研究者同士の協働や、様々な企業や実務家との交流を積極的になさっており、それが多様な研究に結びついたという点は、後進の研究者がこれから研究を進めるうえで指針となる貴重な体験談であったと感じました。

澤野雅彦先生より「「標準化」をめぐる歴史と現状」という表題で講義がありました。近年、我が国の製造業で起こった品質をめぐる不祥事をきっかけとして、フランス、ドイツ、アメリカ、そして日本における標準化をめぐる歴史的な経緯から各国の「標準化」に対する考え方やあり方の違いを論じられました。そうした経緯のなか、今日ISOのような欧州基準が浸透し、また国内でも様々な基準が制定される現状が、歴史的な経緯と齟齬をきたし、しばしば上記のような不祥事として現れるという論旨だと理解しました。時折、経営学の現状に対して投げかけられる疑問や苦言も、後進の研究者にとって見落としがちで教訓となるお話でした。

最後に、両先生にゆかりのある方々からによる花束の贈呈、さらには祝電もあり、終始、和やかな雰囲気のもとで講義が進められ、両先生のお人柄がしのばれる最終講義でありました。